ここ数年くらい合格率が6%台、つまり15人受けて14人は落ちるくらいの数字で推移しています。過去10年で考えても平均してこのくらいの数字で、平成26年は9%台でしたがこれでも10人に9人は落ちてます。その翌年と翌々年は「地獄の門」と呼ばれる合格率(平成27年2.6%、平成28年4.4%)でした。
さて、この合格率だけを見ると気分が落ちます。自分を含めた15人が集められて「今からお前らのうち1人だけを除いて全員を殺す」と言われているようなもんです。
でもこの合格率ってどうなんでしょうか。以前も少し触れましたが、社労士試験はくじ引きではありません。またデータから「合格者の倍くらい足切りで落とされている」ことを考えると、実は合格率はそれほど低くはないという推論が成り立ちます。
まず、毎年45000人くらいが受験申請して受験者は35000人くらいです。つまり1万人前後の辞退者が発生しています。合格率の分母は受験者数なのであまり意味がないと思われるかもしれませんが、申込者の1/5が「どうしても外せない用事があった」ので辞退したとは考えられません。したがって、受験に意欲がなかった「とりあえず申し込み」が大半でしょう。
では受験者ではどうか。みんな勉強をがっつりやっているかと言えば、上記の事象から考えるに「とりあえず受験」というグレーゾーンが一定数いることがうかがえます。しかも万単位で。記念受験やアリバイ受験に近いような、テキスト1冊読めているかどうか分からないレベルの層です。独学組に多いのですが予備校・通信組にも存在します。
そう考えていくと、それなりに点数取れるくらい(少なくとも選択・択一どちらかが合格基準点を超える層)というのは、1万人もいればいいほうじゃないでしょうか。
ガチで毎日何時間も勉強している層はここに入ると思います。そうすると、合格者数は2500人前後で推移していますので、本気で勉強していれば合格率は「25%」ということになります。4人に1人です。もっともここからも確率で合格できるわけではないですが、少しは気が楽になります。
特にデータがあるわけではないのですが、そんなところじゃないかなと思います。母数の全部が全部「めちゃくちゃ勉強している秀才ども」ではないことを頭のどこかに置いておきましょう。基本「自分との闘い」です。