ふと思い出したお話です。
私がまだ学生であった頃、文系でありましたので卒業論文というものがあります。私自身はそつのないテーマで取り組んだのですが、同じゼミにいた友人はこともあろうに「担当教授の主義主張に真っ向から挑戦する論文」に挑んだわけです。
お前それ絶対通らねえぞ、教授怒るぞやめとけという話はしましたが、その友人は「いや俺はこの主張で出す」と強硬で、はたから見たこちらは気をもんだわけです。何しろ担当教授の主張を徹底的にこき下ろす内容でしたから。
果たして結果はどうなったか。首席とはいきませんでしたが、その論文は高い評価を得ました。教授ですからご自身の主張信条というものありながら、それに真っ向勝負をかけた内容に、それなりの論拠もあったということでしょう。受け入れる度量。内容に対して良い評価をされました。そこに挑んだ学友に対しても、それを認めた教授に対しても「すごいなあ」と思ったことです。
世の中正論でもなかなかものを言えないこともあります。私だって今の職場に言いたいことは2ケタはあります。だからと言って認められるか、むしろ「うるせえ」と一顧だにされないかもしれないと思って言わないこともあります。
ただこの前述の話を思い出すと、周りがどう考えても「お前それ不興を買って終わりだぞ」ということをあえて貫き、許容され、認めてくれる場合もあるということを思い返さずにはいられません。
意外と勇気をもって行動に移すと好結果を残すこともあるのかもしれませんね。