会社員とかで、そこそこ年数経ってくると「自己啓発のため資格を取ってみるか」という人が多いです。社労士試験におじさん組が多いのはそのせいかもしれませんね。
この「自己啓発で取ってみるか」についてお話します。
そもそも自己啓発とは自分で何か知識なりを得ようと勉強したりするものです。ですから、合格はただの結果であって目的ではありません。勉強することが自己啓発であり目的なわけです。ですから、大半は「合格してやる」と思ってても、これだけのハードな勉強が必要な資格です。そのうち疲れてきます。
もちろん承認欲求バリバリの人は合格目指して突き進むでしょうけど、安易な考えで飛びつけるレベルの資格にしては、社労士という資格は少しばかりハードルが高いのです。
さらに言うと、自己啓発って別に社労士でなくてもいいわけです。人事労務関連の部署にいたり部署を目指す人はいいのですが、そうでない人は何でもいいわけです。そうするとますます「勉強に力を入れる意味」が失われていきます。
秋の夜長の読書レベルで考えていると勉強は進みません。毎年1万人もの受験放棄者がいるのは、そういうところなのかもしれません。
もちろん試験を受けなくても、また落ちても労働社会保険諸法令に触れることができたことは後人生に役に立つことですし、自己啓発になっているとも言えるでしょう。個人的には大変有意義なことだと思います。いまだに労働基準法の基礎すら分かっていない、自社の就業規則を見たこともない人達を見ていると特にそう思います。
ですが、それと合格とは別です。一般知識レベル(新聞読んでだいたい意味が分かる程度)ならマイペースでぼつぼつ参考書を読んでいれば大丈夫です。
その一歩先、専門性を持ってアドバイスできる領域を目指すレベルの自己啓発としてやるのであれば、これはもういろんなことを犠牲にして勉強して合格を目指して初めて身に着くものです。
いったいどのレベルの自己啓発を目指すのか、考えてみたほうがいいのかもしれません。