一般に合格率が低いと「難しい試験」、合格率が高いと「簡単な試験」と思われがちです。皆さんそういうイメージはないでしょうか。
そう考えると社労士試験は今年など合格率が5.3%と、20人に一人しか受からない試験です。一見「とんでもなく競争率が激しい試験」のように見えます。
同じ現象は他の資格試験にも見られます。合格率1ケタだとこりゃ無理だ、30%だと頑張れば何とかなるかも、50%だといけるかも、という考え方です。
ただ別に抽選で合否が決まるわけではない以上、そのイメージというのは時として「幻想」だったりします。資格の中には受験要件が定められていて、受験の時点で一定の知識を持っていることが要件となっている場合もあります。こういう試験では合格率は高くなりますが、それはイコール簡単だと言うことにはなりません。それなりのレベルの受験生ばかりということですから、競争は激しいです。
翻って社労士試験はどうか。学歴・資格要件による受験資格はありますが「大卒なら構わない」など幅が広いです。労働社会保険諸法令における一定の知識・能力はほとんど問われていません。と言うことは受験生の知識レベルは試験勉強をどれだけやったかという一点に絞られます。そして、みんながみんな十分勉強をしているかといえばそうではないです。
そんな中での5%と言われても、じゃあどれだけの受験生が本気で勉強に取り組んでいるんだよという話になります。思ったより実質の合格率は「高い」わけです。
数字の合格率に振り回されるとつらくなるだけですので、十分に勉強をするという一点に集中するようにしたほうが良さそうです。