「私の案件の先様が労務管理に困っているらしい。半野良、社労士だから相談に乗ってやってくれないか」
これを聞いたときに「ついに来た」と思いました。いい方向の話ではありません。悪い方向の話です。
相談に乗る程度なら無資格者でもできる3号業務ですから別にいいような気もしますが、これ実は企業勤務社労士はしちゃダメなんだそうです。
そもそもうちの会社の本業から外れています。件の同僚が相手の歓心を引きたいのか親切心なのか分かりません。
ただ動機がどうあれ、企業勤務社労士は自分が所属する企業における社労士業務でのみ社労士として名乗り業務を行うことができます。ですので無資格者でもできるはずの対外3号業務が企業勤務社労士である段階で「社労士としてできない」のです。
自分の会社の中で社員や役員事業主からの労務相談に社労士として応じる、または自分の会社の関係の労働社会保険諸法令の書類の作成、提出代行、諸帳票の作成を社労士として行うことはできます。ですが第三者に対しては、できません。
そういう不思議な存在なんだよということを説明してお引き取りいただきました。ただそれだけでは不親切なので近隣の先生で誰々と誰々がいるからそういう開業の先生にご相談くださいとお伝えしています。
私も最初調べたときに「変な話だな」と思いました。社労士を名乗っちゃいけないのなら黙って「詳しいおっさん」という立ち位置ならいいのかとかいろいろ考えましたが、自重しています。
門外不出の社労士、ですね。まあそんな面倒ごとやってられっかというのもありますが。