試験対策として知識を蓄える「インプット」と問題を解く「アウトプット」があって、社労士試験はスピードも求められるので必然「アウトプット対策」が必要になるのですが、これは別に試験に限った話ではありません。
誰かに労働社会保険諸法令のことを聞かれた時に、口語で説明をするという「アウトプット」も存在します。
試験と違って「マル!バツ!」ではなく、ましてや「16番!」などというものでもなく、説明というものは相手に合わせて分かりやすくしなくてはいけないのでけっこう苦労します。
例えば、雇用保険の基本手当ってなあに?と言われたらちょっと勉強している人は分かりますよね。初歩の初歩の初歩です。ですが一般の方に「基本手当」などと言ってもキョトンとされます。
じゃあ何と言ったら一番理解がいいのか。「失業保険」なんです。失業保険などという保険や給付は存在しない(まあ雇用保険法はかつて失業保険法という名前でしたが)ので、失業保険と言われるとついつい「そんなもん存在せんわ!雇用保険法の失業等給付の求職者給付の基本手当じゃ!」と言うのが雇用保険法上正しい答えなんでしょうが、相手によってはもう分かりやすく「そうそう、失業保険とはね…」と説明してしまいます。
要は相手が求めるレベルで理解させればいいのかなと。
ただそうは言っても譲れない一線もあって、「明らかに法的にヤバい語句誤用」は容赦なく訂正します。
勉強しているとややこしい語句が出てきて、それを必死に正確に覚えて正確に答えるのが試験ですが、現実世界ではなかなかそうはいかず、いかに簡便にかつ正確に理解してもらえるかという「ひねったアウトプット」も必要になります。そのためには理解をしておかないとなかなか難しいです。
余談ですが、前例の「失業保険」は一応相手に合わせて失業保険と言って説明した後に「正確には基本手当って言います。失業保険なんて存在しません」と注釈を入れます。