近年、社労士試験の出題傾向が「単に知識を問う」ものから「知識をもって実例を解釈する」ものへと少しずつシフトしています。こうなるとテキストベースの知識を単にアウトプットするだけでは追いつかなくなってきます。
問題文を読み、単に正誤を判断するのみならず、理解し、解釈し、正誤を判断することが求められていると言えるでしょう。試験時間が変わっていないのに手間が倍以上になってます。
ではその「理解し、解釈する」に慣れるにはどうしたらいいのでしょうか。一番は「実務に触れる」なのですが、そんなことしているヒマはありませんしちょっと問題発言になりますが、実務が試験の役に立つかと言えばそれはそれで完全ではありません。
全てをカバーするわけではないのですが、実務の解釈がどういうものかを知るツールとして「判例」と「審査会裁決例」があります。ここに少し触れておくと、実務解釈をマスターしないまでも「読んで意味が分かるかどうか」で勉強の到達具合を確認することができます。
判例はだいたい労働法関連が多いですのでここでは割愛しますが、本は紹介しておきます。
審査会裁決例は社会保険・労働保険ともに厚生労働省ホームページで無料公開されています。厚労省ホームページの「審議会・研究会等」のページの中にありますのでヒマな時に触れてみるにもいいかもしれません(ちなみにこのページには百はあろうかという「会」が一覧になってますのでブラウザの検索機能で探すのがいいです)。
法律用語や文章に慣れていない人は読むだけでも大変だと思いますが、試験でも時々似たような文章は出てきますのでこれでトレーニングしておくのもいいかもしれません。裁判例や裁決例はたまに試験に出ます(ただし裁決例は後日裁判になったものは出にくいです)。