半分野良猫な社労士の憂鬱

半分野良ネコみたいな企業勤務社労士の資格取得体験や日々のよもやま話をしたりするブログです。

「年金は損か得か」よもやま話

社労士であるとか年金に詳しいとか人に知れるとだいたいこの話題になります。いわく「年金は繰り上げが得か損か、繰り下げしたほうがいいのか」「平均年齢まで生きて元が取れるのか」などなど。うんざりするほど聞かれます。

 

この点に関して詳細に計算なさっている社労士やFPの先生方もいらっしゃいますが、私の答えは決まっています。

 

保険原理に損得を求めるな」と。これは以前も少し触れましたが今回はその話の詳細版です。

 

まず「繰り上げがいいか繰り下げがいいか」ですが、私の考えは「可能な限り繰り下げ」です。なぜか。年金における保険事故は「高齢」ですが、最大の問題は「高齢の継続」すなわち長生きです。

 

長生きするとどうなるか。老後の資産額は年々目減りします。長生きして資産が少ない時の生活設計で大切なのは定期定額収入である年金の額が高いか低いかです。食えるはずのものが食えるかどうか、入れるはずの老人ホームに入れるか、です。ですから総受取額の損得より「稼働不可能になった時の定期収入額」を考える方が建設的です。

 

そして次によくあるのが「65歳で死んだら損だよね」です。それは損です。厚生年金はご家族に遺族年金がありますが、自分がもらう分で考えれば損です。ただ、じゃあ死ななかったらどうすんのって話です。死神でもない限り寿命なんて分かりません。120歳まで生きたらどうするんですかって話です。

 

さらにもう一つ。「年金だけじゃ生活できないよね」です。例えば国民年金満額だけで生活しろと言われたら困難です。下手したら生活保護費との逆転現象が発生しています。ただ、ものすごく言葉が悪いですが年金は「老後生活の完全なセーフティネットではない」んですね。助けにはなりますけど全てをカバーできません。そもそも想定していないと思います。

 

国民年金法が制定された頃はまだ一世帯に何世代も家族がいました。その「家族間扶助」が機能していたと思います。新法の頃には核家族化が問題になりつつありましたがそれでも親子のつながりはありました。

 

今はどうか。生涯未婚率の上昇や少子高齢化に伴い、家族間扶養の概念が崩れてきています。月7万の年金に息子娘からの仕送りなんてない「お一人様」の時代です。年金法はそれを全部カバーすることは想定していません

 

なのでこの場合のリスクヘッジは「結婚して子供つくってかわいがれ」もしくは「高給取りになりやがれ」になります。

 

と、いう話を聞かれた時にはしています。例によって私の独断と偏見の話です。

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