すごくざっくり言うと、非正規雇用が5年勤めたら申し出ることによって無期労働契約になれる「無期転換申込権」の話です。労働契約法勉強していると出てくるのでご存知の方も多いと思います。
これもともと(と言うか労働契約法全体がそうなのですが)判例から来ています。5年も勤めさせるってことはもう無期でもいいよね、って感じでしょうか。
例によって細かい語句はすっ飛ばして概要だけ書いてますので受験生の方は法条文・ガイドラインは参照してください。
それはそれとして、実はこの無期転換申込権、割とメディアでも話題になったと思うのですが、では実際に該当する契約社員が発動させているかというとそうでもないようです。
なぜか。理由としては「知らない」というのがすごく多く、あと多いのは「いまいちメリットを感じていない」です。雇用期間以外の労働契約は変えなくてもいいというのもありますし、有期雇用が無期になったからと言って雇止めの心配がなくなるくらい(まあ雇止めも要件がありますが)でしょうか。
そんなこんなでどこかが行った調査では無期転換発動させた人って確か3割くらいしかいなかったように記憶しています。不本意契約社員以外は別に労働契約にこだわらないのかもしれませんし、不本意契約社員も「そういう問題じゃねえよ」って感じなのかもしれませんね。
個人的に思う無期転換の最大のメリットは「いつでも退職できる」ところにあると思います。有期契約だと契約終期までは労使ともに一定縛りがかかりますが、無期だと民法の規定により2週間前の予告で構いません。
…それくらいなのかなあ。
会社によっては待遇が上がったり賃金表が変わったりするところもあるようですがそれも数少なく、正社員待遇にしてくれるところはさらに少ないですので、労使ともにあまりメリットがないのかもしれませんね。
と言うことは、社労士として顧問先様にご提案すべきは「モチベーションの上がりやすい無期転換権」なのかもしれませんね。