来年度の年金額改定が報道されていました。昨今の物価高および官製相場とも言える賃金上昇圧力で増額改定は確実と思っていましたが、果たしてそうなっています。
で、社労士試験勉強している人にとってはおなじみの「マクロ経済スライド」が発動しています。たしかキャリーオーバー分があったはずなので抑制幅は大きくなっていると思います。
マクロ経済スライドとは何か軽く説明しますと、年金額って物価変動率または名目手取り賃金変動率で上下するんですが、少子高齢化が続いている中で上昇幅を抑えようという制度があります。それがマクロ経済スライドというものです。ただ下落傾向にある時は発動されず、マイナス幅が翌年度以降にキャリーオーバーされます。
ですので来年度の年金は上がりますが、物価上昇率には追い付いていないので実質「目減り」ってところでしょうか。
このマクロ経済スライドというシステムは先ほども申しましたように年金額上昇局面で適用されますので、制度導入以降あまり発動したことがありません。デフレ・低賃金が続いていたからですね。
ただ超低金利政策にも陰りが見え始め、円安などで物価上昇圧力が強いですから今後どうなっていくでしょう。いずれにせよ物価上昇に追いつくほど年金は上がってはいきません。
もちろん物価上昇局面では年金額固定よりはマシだと思いますが。
ちなみにこのマクロ経済スライドというはた迷惑なシステムですが、未来永劫続くというわけではなくていちおう年金財政が安定した頃合いに終わることになっています。厚生年金が2025年、基礎年金が2045年くらいでしたか。
ただ年金の財政検証のたびに先送り議論がされますので、今後どうなるかはよく分かりません。