勉強をした知識が丸々そのまま使える場面というのは実はそう存在しません。同じ問題が世の中に転がっているとは限らないからです。また何もかも丸暗記というのはなかなか難しいです。
また丸暗記したつもりでも人間の脳は時間の経過と経験不足によりだんだん忘却していきます。
では仕事にしても何にしてもなぜ勉強するのでしょうか。実は確実に身についてくるものがあります。「ん?」と思える感覚です。これを「嗅ぎつける」にならって「嗅覚」のようなものだと思っています。
知らない、不勉強だとつい見逃しがちになりそうなことでも、どこかで学んでおけば「ん、待てよ」と気づくことができます。気づいた後は「何を参照すればいいか」を知っていれば最低限対応できるわけです。無論知識を全部覚えていればその場で対応できます。
昔はパソコンもスマホもネットもなかったので本などから知識全習得する必要がありましたが、今では簡単に知識を補強できるツールがたくさんありますので「適切な参照先」でいいわけです。
ただ、気づかないとこれができません。ですので何かを学ぶことの意味は「いつか何かの場面でおかしいと思ったり、待てよと思ったりできる力をつけること」だと思っています。
資格試験勉強でも同じです。問題文を読んでいて「ん?」と思えるということは、正誤判定や問題理解につながります。もっともその域に達するまでには相当量の知識を一度は習得しておくことが必要となりますが。
一般的な勉強では全部覚える必要は必ずしもありません。要点だけをつかんでおけば、あとは「嗅覚」という名の違和感が仕事をしてくれます。