半分野良猫な社労士の憂鬱

半分野良ネコみたいな企業勤務社労士の資格取得体験や日々のよもやま話をしたりするブログです。

サービス残業の落とし穴(労働者編)

サービス残業、という言葉はご存じだと思います。残業申請せずに残業することです。いや残業申請という言葉は適切ではないですね。残業はあくまで使用者の「命令」によってするものですから。

 

この場合、現在では労働時間管理が厳格になってタイムカード等で証拠を残すことになっていますので、タイムカードを押して仕事をしている状況でしょうか。自主的にこれをやるケースと、(こともあろうに)使用者の指示でやる場合があります。後者は法令違反です

 

そして、サービス残業には落とし穴があります。

 

それは「労働時間の証明ができない」ということです。タイムカードとかけ離れた労働時間の証明はハードルが高いです。そしてそれが何を意味するかと言うと、過労死・労災の証明が困難になります

 

仮に会社側がサービス残業の事実を知っていたとしても、客観証拠はタイムカードです。しらばっくれられたら、そこまでです。同僚の証言があればまだ何とかなりますが、会社ぐるみでやっている場合難しいかもしれません。

 

そして帰宅時に事故った場合、通勤災害の認定が難しくなることがあります。

 

なぜか。タイムカード押して事故るまで何していたか証明ができないのです。裁決例によれば終業から2時間経過して別のことをしていると「労働との連続性」が否定されます。この裁決例では終業後2時間以上会社でサークル活動をしていたケースでしたが、ここまで時間がかかると通勤とはみなされないわけです。

 

仕方なくサービス残業をさせられる例は多くありますが、常態化している人は何かの形で「会社で労働をしていた」という客観証拠を残しておいたほうがよさそうですね。

 

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