聞きなれない人もいるかもしれませんが、生活残業という言葉があります。どういう意味かと言うと、残業代を稼ぐためにわざと残業をすることです。
本来であれば残業(法定外時間労働)は36条協定の範囲内で「やむをえず」行うものであって、削減のための抑止力として時間外労働の賃金は25%以上増し(60時間超は50%以上増し)と法定されています。
そのため仕事が忙しくやむをえず行う(正しくは事業主に命令される)のが残業なわけです。
それを給料の上積みのために残業をする、多かれ少なかれそのように仕事の進捗をするというのが「生活残業」です。
これが表立って現れたのが実はコロナ禍です。コロナの緊急事態制限下で様々な業種が不景気になったりした時に、残業が減って生活に苦しむ人が増えました。生計の一部を残業代に依存していたわけですね。
もちろん残業代含めてやっと生活できるんだ、という人もいると思います。が、あまり健全とは言えません。ましてや単に金目的で残業することは人件費の増大につながります。
トップとしてはそういうところに目配り気配りもしていかないといけません。労働時間削減するだけでなく生産性効率を上げて、労働時間短縮しても給与はそれほど減らないシステムができれば一番いいでしょう。
生活残業と言えども残業です。社員は疲弊してきます。それが正しい姿なのかどうか。これは事業主だけが考える問題ではないのかもしれません。