ごくたまにですが、そこまでして何もかもを社労士試験にぶつける方がいます。生活費として十分な蓄えがあればそれもまた一つの選択肢でしょうが、今回はそのことの是非を考えてみたいと思います。
社会人やっていると自ずと勉強時間に制約が生まれます。またお昼の仕事なら、予備校に通うにしても夜間帯とかになるのでしょう。1日何時間も勉強時間を確保していくのは至難の業とも言えます。よく効率的な試験勉強を模索したがるのは、時間的に制約があるからです。
では仕事をやめちまえば、他者の数倍の膨大な勉強時間が確保できます。やったぜ余裕だぜ。毎日8時間勉強なんて簡単だぜ。
と、思いはするのですがそれがデータに現れているかどうか検証してみます。昨年の合格者職業別割合の中で「無職」である人は全体の13.2%、会社員に次いで2位です。ここだけ考えると全てを社労士試験に賭けた人も一定いるのだなと思いがちですが、もう少しデータを深堀りします。
年齢別構成を見てみましょう。60才以上が8.8%います。果たしてこのうち何%が現在もお仕事しているでしょうか。また女性の合格割合が4割弱いることから「主婦」も存在します。
そう考えると、試験のために仕事を辞めて無職を選ぶストイックな層がどれだけいるかは不透明です。
さらに考えを進めます。会社員合格者6割弱を筆頭に、合格者の8割弱が何かしらの仕事をしています。裏を返せば、何か仕事をしながらも合格することができる試験でもあるということです。
もちろん、その他いろいろな要素も絡んできますし一概に「仕事辞めてまで」と言うつもりはありません。そこまで腹をくくる、不退転の決意をしている人もいるとは思います。
ただ、下手に時間が有り余っているとかえって油断してしまうこともありえます。日々の勉強の中で「時間ねえし仕事やめちまうしかないか」と思っている人は今一度、他に時間を確保したり効率的な勉強方法がないか考えてみるのもいいかもしれません。
何しろ履歴書に謎の空白が生まれてしまうわけでもありますし。