半分野良猫な社労士の憂鬱

半分野良ネコみたいな企業勤務社労士の資格取得体験や日々のよもやま話をしたりするブログです。

賃上げは3日で慣れる

よく労務管理上の「待遇改善」と言うと「賃上げ」が頭に浮かびます。そろそろ春闘の時期ですが賃上げに関する様々なスローガンが乱れ飛びます。まあ昨今は政府が最低賃金上げ方向に圧力かけたり、経済団体に賃上げ要請をしていますが、これは労働者の待遇改善と言うよりどちらかというとインフレ転換を期待してのことでしょう。

 

それはさておき、賃上げって待遇の改善の方法のひとつですが、果たしてこれだけで上手く行くものなのでしょうか。つまり、社員のモチベーションアップにつながるのかどうかいううことです。

 

マズロー欲求段階説によれば、あっさり言うと「衣食足りて礼節を知る」というわけですから賃金の上昇は生活環境を改善し、社会的(つまり会社内での)承認を求めるようになれる、と考えるとモチベーションは上がりそうです。もっとがんばってもっと稼ごう、出世してやろうと。

 

ただそう簡単なものではありません。なぜかと言うと、賃上げは「3日で慣れる」からです。

 

勤め人の方で定期昇給のたびに涙して会社に感謝している人がいるでしょうか。確かに賃上げは嬉しいことですが、しばらくしていると「慣れて忘れる」んです

 

と言うことは社員の仕事に対するモチベーションを上げるのは単なる賃上げでは足りないということです。

 

もちろん将来にわたって安定して給与が上がると言うのは「満足」の一つですし帰属欲求の一つにもなります。なりますが、そこまで将来的視野で物事考えられるほど日々の生活は甘くはありません

 

また反例を上げれば、給料が低いのに妙に嬉々として働いている人もいます。曰く「仕事が合ってる」からですが、そのモチベーションはどこから来るのでしょうか。はたから見たらブラック寸前なところでも喜んでいる人もいます。

 

万人に通じる労務改善は存在しないのですが、少なくとも会社への帰属意識の向上方法は銭金ではないところにあるようです。

 

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