という報道を見て「ほう?」と思いました。
概要をあっさり説明しますと、月120時間の時間外労働をした労働者が出血性胃潰瘍で他界されたという事案を労働基準監督署が労災認定した、というお話です。
そりゃそれだけ時間外労働すれば胃潰瘍にもなるだろう、労災だろうそれと思う人もいるかもしれません。もちろん過労やストレスは胃潰瘍の大きなトリガーです。
ただ、従来の労災認定基準には「過労による胃潰瘍」は明確に示されていなかったわけです。
時間外労働と関係して示されてある疾病は「脳・心臓疾患」と「精神疾患」の2つなわけです。この2つは時間外労働の多寡と密接な因果関係があるとされ、直近の時間外労働の時間数は認定上大きな判断材料となります。
ただ、時間外労働と内臓障害との因果関係は記載されていないわけですね。考えてみりゃ当たり前のことが記載されていない、それもそれで問題だと思いますが、この基準に基づいて判定する労働基準監督署が「業務との因果関係を認めた」わけです。
最近仕事のストレスが胃や腸に来ている私にとっては分かりやすく、そして「前例マニュアル主義のお役所がよく認定したな」と驚きでもありました。
どこで聞いたか忘れましたが、人間ドックで異常なしとされた人が帰り際人身事故を起こして、急に腹痛が起こり調べてみると胃から出血していた、なんて話もあります。ストレスが内臓に影響を及ぼすことがある以上、将来的に内臓系の労災認定基準が見直されてくるかもしれませんね。